あなたのみことばは、私の足のともしび、私の道の光です。 詩篇 119篇105節
聖書概要

使徒の働きの概要

本書の目的 キリスト教の誕生と成長を正確に伝えるため。
著者 ルカ

(ユダヤ教徒ではない医者)

誰に向けて書かれたか テオピロ(「神を愛する人」という意味)、神を愛するすべての人
年代 西暦63-70年ごろ
背景 「使徒の働き」はキリストが生涯を終えてからその後キリスト教が始まっていく経過をつづる書です。
主要な聖句 「だが、聖霊様があなたがたに下る時、あなたがたは大きな力を受け、エルサレムからユダヤ全土、そしてサマリヤから地の果てまで、わたしの死と復活を伝える証人となるのだ。」(使徒の働き1章8節)
主要な登場人物 ペテロ、ヨハネ、ヤコブ、ステパノ、ピリポ、パウロ、バルナバ、テモテ、ルデヤ、シラス、テトス、ルカ
主要な地名 エルサレム、サマリヤ、ルダ、ヨッパ、アンテオケ、キプロス島、ピシデヤ地方の町アンテオケ、イコニオム、ルステラ、デルベ、ピリピ、テサロニケ、ベレヤ、アテネ、コリント、エペソ、カイザリヤ、マルタ島、ローマ
本書の特徴 「氏との働き」はルカの福音書の続編です。

死からよみがえられたイエスは、弟子たちとこの世で40日をお過ごしになりました。40日が経過してから父なる神はイエスを天国へ連れ戻されましたが、地上におられた40日の間にイエスは救いのすばらしい知らせ(福音)を世界中に広めるようにと弟子に命令されました。弟子たちがイエスのこの指示に従った結果として「キリスト教」は誕生しました。

使徒の働きの書はルカが書き、西暦一世紀にかけてのキリスト教の成長を実際に自分の目で見たこととして正確に記録したものです。イエスのたった数百人の弟子たちがエルサレムに集まったところから始まったこの福音は巨大なローマ帝国の全土に行き渡りました。クリスチャンは神にどこに遣わされても、人間が永遠のいのちを得られるように人間の罪を肩代わりして死んでくださったイエスの愛について伝えました。おかげで世界中で大勢の人の人生は変わり、歴史も形作られたのです。

イエスの生涯と死、復活のすばらしい知らせ(福音)はまずユダヤ人に伝えられました。ところがユダヤ人たちはこのメッセージを拒絶したのです。イエスはつつましい小さな町でごく普通の家庭に育ったものですから、ユダヤ人たちから見ればずっと待ち続けた偉大なるメシヤ(救い主)とはとうていおもえません。悲しいことに、ほとんどのユダヤ人は今もメシヤの到来を待ち続けているのです。

もちろん、ユダヤ人の中にはすばらしい知らせを喜んで受け入れる人もいました。けれども、ユダヤ人の宗教指導者たちに何度も拒否された使徒パウロは、ついに福音を外国人(ユダヤ教徒以外の人々)に伝えようと決心しました。使徒の働きの書の後半は地中海北部の国々へ渡ったパウロの宣教の旅をつづります。各地で新しい教会が始まり、新たに回心した人たちもクリスチャンとして成長し始めました。

本書にはイエスが天国に戻られてから神がすべてのクリスチャンに遣わされた聖霊の働きに関する教えや実例も含まれています。自分の罪を認め、罪の赦しのために命をささげられ復活されたイエスを受け入れる必要があることをあなた自身が認めたのであれば、聖霊様は確かにあなたの心の中に入ってこられます。聖霊の役割とは苦しいときに慰めを与えたり人生の道案内をしてクリスチャンを助け、また救いのためにイエスを信じるように人々の心を導くことです。聖霊はまた、サタン(悪霊)がこの世を完全に支配してしまうのを防ぎ、もっと大勢の人がイエスのことを知るチャンスが与えられるように取り計らいます。聖霊様は今も生きておられ、約二千年前からその力は全く衰えていないというのは私たちクリスチャンにとっては実に心強いことです!

使徒の働きの書は登場する弟子たちの身になって読んで見ましょう。弟子たちが聖霊に導かれる姿を自身と重ねてみたり、大勢の人々が福音のメッセージを聞いて受け入れる様子の感激を体験してみたり、イエスのために生きたこの弟子たちの献身を感じ取りましょう。また、苦しんでも、死に直面した時でも、十字架で命をささげて復活した主イエスについてチャンスがあれば必ず語り続けたこれらの西暦一世紀の信者たちの大胆さをご覧になってください。その上であなたも彼らにみならって大胆にイエスを語るクリスチャンになろうと決意しましょう。

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