本書の目的 | ガイオをその温かいもてなしのゆえに賞賛し、クリスチャンの生活を送るにあたって励ますため。 |
著者 | 使徒ヨハネ |
誰に向けて書かれたか | ヨハネが知っていた教会のひとつで著名なクリスチャンであったガイオへ。また、あらゆるクリスチャンのために。 |
年代 | 西暦90年ごろ、エペソで |
背景 | 当時、教会の指導者たちは、各地を転々として新しい会衆と教会を育てるのを助けていました。これらの指導者たちはクリスチャンの仲間の世話になって生活をしていたのです。ガイオはこのような指導者たちを自宅に温かく迎えたひとりでした。 |
主要な聖句 | 「ガイオよ。あなたは、旅行中の教師や伝道者を、もてなしてくれているそうですね。さぞかし、神様はお喜びでしょう。」(第三ヨハネ1章5節) |
主要な登場人物 | ヨハネ、ガイオ、デオテレペス、デメテリオ |
私たちの本音の価値観は、他の人をどのように扱うかを見ればわかるものです。つまり、私たちにとって本当に重要なのは何かがわかるのです。人を物のように扱うのか、迷惑のもとのように扱うのか、それとも慈愛に満ちた神に造られた同じ人は二人といない人間として扱うのでしょうか?神様の価値観とイエス様の愛を他の人に示すための最も効果的な方法のひとつは、人を温かくもてなすことかもしれせん。
使徒ヨハネがガイオにあてたこの個人的な手紙は、人を温かくもてなしているガイオへの感謝と信仰の励ましのために書かれました。当時の牧師たちは定期的な収入もなく、各地を転々としなければなりませんでした。ガイオはそのような牧師やその他の宣教師たちに無償で部屋や食事を提供したのです。
もてなしの気持ちというのは決して複雑なことでなくてもいいのです。食卓にイスをひとつ足すだけでもそうですし、温かくほほえんだり握手をしたり、教会の参例者をほがらかに歓迎することも含まれます。非常に単純な行為であっても、このように親切にすることによって愛と感謝の気持ち、そして支持を示すことができます。
この手紙にはガイオ以外に二人の男が登場します。一人は見習うべき良い手本であり、もうひとりは悪い手本です。デメテリオは神に忠実な弟子であり、誰もが賞賛するひとでした。ところがデオテレペスは自分でかってに教会の指導者になり、ヨハネはガイオに、デオテレペスの悪い手本に影響されないようにと呼びかけます。
この手紙は、他の人を私たちの人生に招きいれ、自分の一部を分かち合うことは神を喜ばせると思い起こさせてくれます。実際、神様が私たちの人生においてこのように他の人と出会うようにされる理由のひとつは、私たちがそういう人を支持し、励ましてあげられるようにするためです。あなたもまわりの人を助けようと手を差し伸べるにつれて、あなたも特別に祝福され、力づけられることに気づくことでしょう。助けが必要なクリスチャンを招き入れ、もてなしの気持ちをあらわし、イエス様の愛を示すことによってイエス様の価値観が自分の持つ人間関係にもあらわれるような生き方をしようと決心しましょう。