本書の目的 | 常に油断しないように、つまり信仰を強く保ち続け、聖書と相反する教えにだまされないよう反対しなければならないことを教会に思い起こさせるため。 |
著者 | イエスとヤコブの弟ユダ |
誰に向けて書かれたか | ユダヤ人のクリスチャン、また、あらゆるクリスチャンのために。 |
年代 | 西暦65年ごろ |
背景 | 西暦一世紀以来、キリスト教は聖書と相反する教えや偽りの教えに脅かされ続けてきました。クリスチャンは常にこのような教えに対して油断をしないようにしなければなりません。 |
主要な聖句 | 「愛する皆さん。私は前々から、神様が与えてくださった救いについて、幾つかのことを手紙で書き送りたいと願っていました。ところが、今、それとは別のことを書き送らなければならなくなってしまったのです。それは、かつて、神様を信じるすべての者に与えられた真理のことばを守るために、勇敢に戦ってほしいということです。」(ユダ1章3節) |
主要な登場人物 | ユダ、ヤコブ、イエス |
ユダの手紙はすべての時代における世界中のすべてのクリスチャンに宛てられたメッセージです。ユダはイエス様の異父兄弟であったものの、イエス様が死なれ、よみがえられるまでクリスチャンにはなりませんでした。この手紙はイエスを救い主としてみなすようになってからユダの人生における目的がどのように変わったかを説明しています。
ユダはこの手紙を苦闘している若いクリスチャンのために書きました。彼らは神に求められることを行おうと霊的にも倫理的にも決意したのですが、それからまもなく邪悪な偽りの宗教指導者があらわれて、「神がすべての罪を赦してくださったのでクリスチャンは好き勝手な生き方をしてもいい」と説き始めました。おかげでクリスチャンになったばかりの多くの人はこの教えを怪しいと思わず有害な悪癖やライフスタイルに逆戻りしてしまいたい誘惑にかられました。彼らは真理のために戦うようにと鼓舞し、クリスチャンになる前の生き方に戻ってしまわないようにと励ましてくれる誰かが必要でした。今日の私たちのまわりにも、神の教えに背くようにと駆り立てる勢力はあります。私たちに信仰をあきらめてしまいたいと思わせようとする人はいつの時代も存在するものです。少しぐらい妥協してもいいではないか、と思わせようとする人もいれば、私たちを憎しみに満ちた態度で扱ったり、信仰を保とうとする気持ちをそごうとしたり、私たちがどんなにがんばっても変わらないだろうと信じてくれなかったりしてくじけさせようとします。
あなたは聖書や他のクリスチャンとの関係、イエス・キリストへの従順をどれほど重視していますか? あなたのキリストを中心として成長中の人生をぶち壊し、聖書への信頼に打撃を与えようと待っている偽教師はたくさんいます。しかし、神様はあなたを助けるためにこれまでどんな苦労も惜しまれませんでした。あなたが願っている以上に、神様はあなたの信仰を本当に成熟したものにさせたいと思っておられるのです。ユダの手紙を読み、どんな犠牲を払ってでもあなたの信仰を保ち、神の真理を守ろうと決意しましょう。これ以上に貴重なものは存在しないのです。