本書の目的 | イエスというお方と、イエスの行われたことや教えを紹介するため。 |
著者 | ヨハネ・マルコ
十二で弟子の一人ではありませんが、パウロが最初の宣教の旅に出た時の同行者でした(使徒の働き13章13節) |
誰に向けて書かれたか | マルコは本書をローマにいるクリスチャンのために、ローマで書き上げました。 |
年代 | 西暦55-65年の間 |
背景 | ローマ皇帝テベリオ(ティベリウス)の統治下のローマ帝国で、イエスのメッセージは急速に各国へと広まっていました。 |
主要な聖句 | 「メシヤのわたしでさえ、人に仕えられるためではなく、仕えるために来たのであり、多くの人の罪の代償として、自分のいのちを与えるために来たのです。」(マルコ10章45節) |
主要な登場人物 | イエス、十二弟子、ローマ総督ピラト、ユダヤの宗教指導者たち |
主要な地名 | カペナウム、ナザレ、ピリポ、カエザリヤ、エリコ、ベタニヤ、オリーブ山、エルサレム、ゴルゴタ |
本書の特徴 | マルコの福音書はおそらく福音書の中では最初に書かれた書物であり、他の三つの福音書よりも多くの奇蹟が記録されています。 |
マルコの福音書はローマ人のクリスチャンたちを励まし、彼らにイエスがメシヤ(救い主)であることを示すために書かれました。また、イエスは神の御子ではありますが、人類に仕えるためにお生まれになったということも伝える書です。
マルコの福音書は活動中のイエスの姿の例をいくか挙げています。まず、バプテスマ(洗礼者)のヨハネが「メシヤがまもなく来られる」と宣告することにより、イエスが来られる前に道を準備したいとう話があります。それから、イエスが洗礼を受け、荒野でサタン(悪魔)に誘惑され、その後十二弟子をお選びになるところまで一気に話は進みます。マルコはイエスの一般人に対する働きを特に強調しており、悪霊と対決したり、病人をいやしたり、中風の人を赦し、いやされました。その後、荒れ狂う海をしずめ、少女をいやす話へと続きます。
故郷のナザレの人々に拒絶されたイエスは弟子たちに救いのすばらしい知らせ(福音)を各地へ伝え歩くようにと告げます。この「すばらしい知らせ」とは、イエスが神の御子であり、死ぬことによって私たちの罪を肩代わりするためにこの世に来られた、という話です。このメッセージは多くの人にとって過激すぎると思われてしまいます。
ヘロデ王とユダヤ人の指導者たちは特にそう思い、ますますイエスへの敵対心がつのり、敵の数も増えてきました。しかし民衆がイエスのあわれみ深さや行った数々の奇蹟を見たり、体験したりするにつれ、イエスに付いていく人も同時に増えています。イエスはたった五つのパンで五千人の民衆を養い、耳が聞こえない人をいやし、今度は四千人の群衆を七つのパンで養います。
そしてついに、弟子たちにご自分が本当はどなたかを明かす時が訪れます。イエスは神の御子であると同時に自分たちと同じように人間でもあるという事実を、弟子たちは完全に理解したのでしょうか?イエスはその後も人々に教えを説き、病人をいやし、厳格な宗教指導者たちの偽善的態度と民衆に対して慈愛なく接する姿を指摘し続けます。ほかにも、自分の富に気をとられるあまりに一生をつくして神を見出すことまではできない金持ちの男にも、それを指摘します。
そこから事態は急展開していき、最後の晩餐、十字架での受難そして死からの復活の話が続きます。マルコが描くイエスの姿は常に活動しているお方であり、絶えず移動してまわり、人々に仕え、犠牲を払い、人々に救いをもたらすお方なのです。「マルコの福音書」を読んで、いつでも行動を起こせるよう準備をし、神様があなたの人生に働きかけられるのを受け入れ、あなたも毎日の生活の中での小さなところから神様に仕え始められるようにしましょう。