本書の目的 | 苦しんでいるクリスチャンを励ますため。 |
著者 | 使徒ペテロ |
誰に向けて書かれたか | エルサレムから追い出されて小アジア(現在のトルコにあたる地域)の各地に散らばっていたユダヤ人のクリスチャン、あらゆるクリスチャン |
年代 | 西暦62-64年ごろ、ローマで書かれたかもしれません。 |
背景 | 皇帝ネロの総治下のローマ帝国では、いたるところでクリスチャンがキリストへの信仰のゆえに拷問され、殺されており、エルサレムの教会のメンバーも各地へ散らばりざるを得なくなっていました。 |
主要な聖句 | 「これらの試練は、あなたがたの信仰をテストするためにあるのです。それによって、信仰が、どれほど強く、純粋であるかが量られます。それはちょうど、金が火によって精錬され、不純物が取り除かれるのに似ています。しかも神様には、あなたがたの信仰は、金などより、はるかに貴重なのです。ですから、信仰が火のような試練のるつぼの中で鍛えられ、なお強化されるなら、あなたがたは、イエス・キリストの再び来られる日に、多くの賞賛と栄光と名誉とを、受けることになるのでしょう。」(第一ペテロ1章7節) |
主要な登場人物 | ペテロ、シルワノ、マルコ |
主要な地名 | エルサレム、ローマ、ポント地方、ガラテヤ、カッパドキヤ、小アジア、ビテニヤ |
本書の特徴 | ペテロが本書で言及ぼする生ける石や羊飼い、羊などおのたとえはペテロにとって特に思いいれのあるたとえでした。というのもイエス様がペテロに教会に関するいくつかの真理を教えられた際にお使いになったたとえだったからです。 |
ペテロは、迫害者のてによって故郷から追放されたクリスチャンたちのためにこの手紙を書きました。仲間のクリスチャンたちを慰め、希望を与え、力づけつつ、苦境は人を成長させるものだという事実を思い起こさせるためでした。
痛みや苦しみのあまり、元の人生に戻ろうとか、あきらめようという誘惑にかられても、神の真理に忠実であり続けるようにと強く勧めました。
ペテロ(イエス様の12弟子の一人)自身、何度も脅かされ、むち打たれ、投獄された弟子でした。仲間のクリスチャンが殺されるのも目の当たりにしていました。それでも、イエス・キリストを愛し信頼していたために、どんなにひどいことが起こっても死からよみがえられた救い主への信頼が揺らぐことはあいりませんでした。
この手紙はこのただ一つしかない救いを神に感謝し、人間ではなく神を喜ばせるために生きるように、そうすることによってイエス様のようによりなれるから、とクリスチャンに強く勧めることろから始まります。
この手紙を読み、あなたにとっても試練の時はやって来ることをおぼえておき、そして試練が到達した時も神様に忠実であり続けましょう。なぜなら、どんなことがあろうとも、神様の恵みは常にあなたと共にあるというのは確かな事実だからです。