あなたのみことばは、私の足のともしび、私の道の光です。 詩篇 119篇105節
聖書概要

ピレモンへの手紙の概要

本書の目的 ピレモンの家から物を盗み、逃げ出した奴隷のオネシモを赦し、クリスチャンとなったオネシモを同じクリスチャンの兄弟として温かく受け入れるべきである、とピレモンを説得するため。
著者 使徒パウロ
誰に向けて書かれたか ピレモン(おそらくコロサイの教会の裕福な会員の一人。)また、あらゆるクリスチャン
年代 西暦60年ごろ、パウロが初めてローマで収監されていた間に。
背景 パウロはその著作物の中でローマ帝国で当時一般的であった奴隷制度を非難することはありませんでしたが、この手紙に登場する奴隷をその主人ピレモンの「キリスト様を信じる兄弟」と呼び、これは当時にしては非常に急進的な発言です。
主要な聖句 「こう考えてはどうでしょう。オネシモが、しばらくのあいだ逃亡していたのは、永久にあなたのものとなるために、ほかならなかったのだ、というふうに。それも奴隷としてではなく、はるかにまさった者、つまり、私にとって特にそうなのですが、愛するクリスチャンの兄弟としてです。あなたの感慨もひとしおでしょう。単なる奴隷と主人の関係を超えて、キリスト様を信じる兄弟同士になったのですから。」(ピレモン1章15-16節)
主要な登場人物 パウロ、ピレモン、オネシモ
主要な地名 コロサイ、ローマ

ローマとギリシャで、ユダヤの文化にはあらゆる社会的なバリアで満ちており、男性と女性、奴隷と自由の身、裕福な者と貧困者、ユダヤ人とユダヤ教徒以外の人(「外国人」と呼ばれていました)などと、すべての人は階級社会に細かく分けられ、別の階級に移ることは基本的に許されませんでした。

人生には人を分けて隔てるバリアがたくさんあります。木の棚や石の壁ではありませんが、人間を互いから、そして神から遮断する個人的なバリアなのです。しかし、キリストはこのような障壁を取り除くために来られ、私たちを互いから、そして神から引き離している罪を破壊してくださいました。キリストの死と復活によって、神の救いの贈り物を求めて受け取ったすべての人に永遠のいのちへの道が開かれたのです。

この人生を変えるような真実こそ、パウロのピレモンへの手紙の根拠となっています。パウロの友人のピレモンはコロサイの教会の会員でした。ところが、深刻な問題が発生しました。というのはピレモンのところの奴隷のオネシモがピレモンから物を盗み、ローマへ逃亡したのです。オネシモはローマでパウロと出会い、救いのすばらしい知らせ(福音)を受け入れました。そこでパウロはピレモンに手紙を書いてオネシモを奴隷だけではなく、同じクリスチャンとして送り返す、と伝えます。ピレモンには、オネシモを受け入れ、赦してあげるようにとお願いしています。過去のバリアが何であれ、今は2人ともクリスチャンなのですから障害はないはず、だと。

この短い手紙は神の恵みがどんなに重要であり、クリスチャンとして真に人を赦すということがどういうことかを示す実例でもあります。あなたの家庭や近所、教会などにおいてこのようなバリアはありますか? バリアは社会的地位や裕福さの度合い、学歴、人種や性格の違い、かもしれません。ピレモンに言われたように、神様はあなたにもこのようなバリアを取り崩し、他のクリスチャンを温かく受け入れるようにと呼びかけておられます。

関連記事

TOP