あなたのみことばは、私の足のともしび、私の道の光です。 詩篇 119篇105節
聖書概要

テトスへの手紙の概要

本書の目的 クレテ島の各教会の監督をつとめていたテトスに助言を与えるため。
著者 使徒パウロ
誰に向けて書かれたか テトス(おそらくパウロによりキリスト教に回心したギリシャ人であり、パウロがクレテ島に送った特使)。たま、あらゆるクリスチャン
年代 西暦64年ごろ、第一テモテが書かれたと同じころにマケドニヤ(マケドニア)で。パウロは数回ローマで収監されましたが、その間旅行した際に。
背景 パウロはクレテ島の教会を組織化し監督するためにテトスを送りました。この手紙はテトスに組織化と監督の仕方を教えるために書かれました。
主要な聖句 「ところで、あなたをクレテ島に残して来たのは、島の教会を強めるため、思う存分働いてもらいたかったからです。前もってお祈りしておいたように、私の指示どおり、牧師を町ごとに任命してください。」(テトス1章5節)
主要な登場人物 パウロ、テトス
主要な地名 クレテ島、ニコポリ
本書の特徴 テトスへの手紙は教会の指導者たちに向けた指示であり、第一テモテに非常によく似ています。

パウロの教えを聞こうと大勢の人が集まることはよくありました。その結果、人生が変わり、新たに教会が創始されていったのです。しかし、教会とはイエス・キリストのみを土台として築かれなければならないということをパウロは知っていました。また、教会を築き、励まし、規律を与え、教える自分がいつまでもいるわけでもないことも知っていました。そこで、自分がいなくなった後のリーダーシップを担ってもらう若き牧師を育成したのです。パウロはこれらの若き牧師たちに、人生や説教の内容は神のことばである聖書を中心とするように教え、自分たちの後を継ぐ人たちの育成をするようにとも言いました。

テトスはギリシャ人のクリスチャンであり、クレテ島の教会の監督となりました。テモテのように、パウロの宣教の旅に同行することが多く、パウロに深く信頼されている人でした。パウロは時間をかけてテトスを成熟したクリスチャンかつ責任感のある指導者へと育て上げました。この手紙は育成のプロセス中で書かれ、教会の組織化と導き方を教えるものとなっています。

まず教会の中のさまざまな年代の人たちをそれぞれ理解する方法を教えています。成熟したクリスチャンの模範となり、勇気と大胆さをもって教えるようにとも強く勧めています。また、テトスに、クリスチャンとは社会の他の人々にも手をさしのべて助けてあげるべきであり、教会の和合を傷つけるような論争は避けるべきであると教えるようにさとしました。

テトスへの手紙は短い書ですが、クリスチャンになったばかりの人のトレーニングとして、そして若者が教会の中で指導者になっていく過程において重要な一環です。この手紙を読みながらあなたは現代の教会の手本となっている一世紀当時の教会の組織についてもっと学べることでしょう。

関連記事

TOP