あなたのみことばは、私の足のともしび、私の道の光です。 詩篇 119篇105節
聖書概要

マタイの福音書の概要

本書の目的 イエスがメシヤ(救い主)であり、永遠の王であることを証明するため。
著者 マタイ(別名レビ)
誰に向けて書かれたか マタイは本書を特にユダヤ人向けに書きました。
年代 西暦60-65年ごろ
背景 マタイはユダヤ人で税金を取り立てる役人であり、イエスの弟子となりました。
主要な聖句 「誤解してはいけません。わたしは、モーセの立法や預言者の教え(旧約聖書)を無効にするために来たのではありません。かえって、それを完成させ、ことごとく実現させるために来たのです。」(マタイ5章17節)
主要な登場人物 イエス、マリヤ、ヨセフ、バプテスマ(洗礼者)のヨハネ、弟子たち、宗教指導者たち、大祭司カヤパ、ローマ総督ピラト、マグダラのマリヤ
主要な地名 ベツレヘム、エルサレム、カペナウム、ガリラヤ、ユダヤ
本書の特徴 「マタイの福音書」には旧約聖書の引用句がたくさん登場します。この福音書は内容が年代順にまとめられておらず、そもそも書かれた目的はイエスがメシヤ、すなわち救い主であることを証明するためです。

ユダヤ人たちは何百年も前に預言者たちによってこの世に来られると予告されていたリーダーの登場を待ち望んでいました。このリーダーはメシヤと呼ばれ、ユダヤの人たちはこの方はローマ帝国からユダヤの国を救ってくださるとしんじていました。しかし、いくつかの預言の中には、この王は拒絶され、殺されるという預言があったのですが、多くのユダヤ人はこの点を見逃してしまいました。そうするとイエスこそメシヤであるという事実に気づいたユダヤ人がごく少数だったのも、さほど不思議ではありません。イエスは馬小屋でお生まれになり、この世における父のヨセフは大工という身分でした。偉大な王がこんな家庭にお生まれになるとはなかなか思えないことでしょう。

イエスの弟子の一人であるマタイは、イエスがメシヤであることを示し、神の天の御国について教えるために本書を書きました。マタイの福音書はイエスの系図、生誕と子供の頃のお話から始まっています。その後、バプテスマのヨハネにより洗礼をお受けになったイエスは荒野でサタン(悪魔)の誘惑に打ち勝ち、十二人の最も親しい弟子たちをお選びになりました。マタイはイエスが病人や悪霊に取りつかれた人をいやし、死人さえもよみがえらせるという奇跡をつづることによってイエスの権威を示します。

この時点で大勢の人がイエスに従うようになったのですが、イエスの人気が高まったことや、ご自分が神であると大胆にも宣言したことを好ましく思わない人たちもいました。ユダヤ人の宗教指導者たちもそうでした。彼らは、イエスがご自分が神であると宣言し、さらに彼らを偽善者と呼び、民にユダヤ教のおきてに完璧に準じるように求めるだけであわれみを示すことがないことを批判したので、イエスを脅威と感じるようになりました。イエスは反対者の数が増えていくにもかかわらず、メッセージを伝え歩き続けられました。ご自分がもうすぐ殺されるということはご存じでしたから、弟子たちにその後どういうことが起こるのか、どのように生きていくべきかを教えられました。

本書には最後の晩餐や裁判、十字架での受難、埋葬などの話も含まれ、そこにはこの世でイエスがお過ごしになられた最後の日々の様子が書いてあります。しかし、イエスのお話はここで終わりません。イエスは死からよみがえられ、死を克服し、弟子たちにはこの「すばらしい知らせ(福音)」のメッセージを世界各国の人々に伝え歩くようにと言われたのです。

マタイの福音書を読んでいく中で、マタイの明確なメッセージに耳を傾けてください。そのメッセージとは、「イエスはメシヤであり、王の王であり、主の主である」であることです。イエスが成し遂げられた、悪と死の克服を祝し、イエスにあなたの人生の主になっていただきましょう。

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