本書の目的 | 偽教師たちに注意するように呼びかけ、信仰において成長し、キリストの知識をもっと身につけるようにクリスチャンに強く勧めるため。 |
著者 | 使徒ペテロ |
誰に向けて書かれたか | キリストを信じるすべての教会、そしてあらゆるクリスチャン |
年代 | 西暦67年ごろ、ローマで書かれたかもしれません。 |
背景 | ペテロはこの世で自分に残された時間がもうあまり長くないことを知っていました(第二ペテロ1章13-14節)から、自分がいなくなってからどんなことが起こるか、それも特に偽教師たちについてクリスチャンたちに警告を与えるためにこの手紙を書きました。 |
主要な聖句 | 「キリスト様を知れば知るほど、その偉大な力を通して、神様に従う正しい生活を送るために必要なすべてものが、いただけるのです。それべかりか、キリスト様は、自分の栄光と、みがかれた品性をも、私たちに与えてくださるのです。」(第二ペテロ1章3節) |
主要な登場人物 | ペテロ、パウロ |
本書の特長 | この手紙がいつ、誰に宛てて書かれたかは不明であり、著者がペテロではないかもしれないという意見もありました。そのせいで、新約聖書の正典の一部としてキリスト教会により承認された最後の書でした。 |
ペテロの第二の手紙は世界中のあらゆるクリスチャンに宛てて書かれました。書いてまもなくその信仰のゆえに殺されたイエス・キリストの偉大な殉教者聖ペテロが書き残した最後の記録でもあります。
ペテロはイエスを信じない人たちに迫害されて苦しんでいるクリスチャンたちを慰め、励ますためにすでに別の手紙を書いていましたが、今回はキリスト教全体で問題となっていた点を指摘しました。中でもキリストの教えと生涯や使徒たちのことばを歪曲し誤り伝えていた偽教師たちという問題を特に指摘しています。
ペテロは、これらの教師たちはお金を得るためならどんなことでも言いかねないし、どんなことでもしかねないと警告しています。彼らは神の教えに背を向け、高慢で自分たちの手柄話を語り、最終的には神に審判されて罪が下ると。
そして最も重要な点ですが、ペテロは、聖書は寓話集でも神に関する人間の考えをまとめたものでもないことをクリスチャンに理解してほしいと願いました。人間を通して神様が語られたことばなのです。聖書を書いた人たちは神に導かれて書いたのですから、聖書のメッセージは神のことばとして信頼できるのです。
神は聖書の作者一人一人の特有の才能や受けた教育、生まれ育った文化的背景をお使いになり、神が望まれたことばを書きとめたのです。
ペテロの第二の手紙は現代の私たちに宛てて書かれてもまったくおかしくない書物といえるでしょう。私たちが住むこの世界は自分こそ真実を知っていると主張する偽預言者や偽教師でいっぱいです。いつの時代にも当てはまるペテロのメッセージと警告に耳を傾け、従いましょう。ペテロが聖句が神に導かれて書かれ、神の権威を持ったことばであることを強調したのは、この神のことばである聖書と食い違いことを教える偽教師をクリスチャンがはっきりと識別して受け入れないようにするためです。