あなたのみことばは、私の足のともしび、私の道の光です。 詩篇 119篇105節
聖書概要

ピリピ人への手紙の概要

本書の目的 ピリピ人たちから贈られた贈り物への感謝を伝え、真の喜びとはイエス・キリストのみから得られるという事実を教えることによって彼らをさらに強いクリスチャンにするため。
著者 使徒パウロ
誰に向けて書かれたか ピリピのすべてのクリスチャン、あらゆるクリスチャン
年代 西暦61年ごろ、ローマで収監されている間に
背景 パウロとその仲間は二度目の宣教の旅の途中でピリピ(ギリシャの古代都市)の教会を創始しました。(使徒の働き16章11-40節)。これがヨーロッパ大陸に創立された最初の教会です。ピリピの教会はエパフロデト(ピリピの教会の会員の一人)にパウロ宛の贈り物を持たせて送りました(ピリピ4章18節)。パウロは当時ローマの刑務所に収監されていました。パウロはピリピの教会に贈り物のゆえに感謝を伝え、信仰を保つようにと励ますためにこの手紙を書きました。
主要な聖句 「いつも、主にあって喜び満たされていなさい。もう1度言います。喜びなさい。」(ピリピ4章4節)
主要な登場人物 パウロ、テモテ、エパフロデト、ユウオデヤ婦人、スントケ婦人
主要な地名 ピリピ

ピリピ人への手紙はパウロが喜びをあらわした手紙です。ピリピの教会はパウロにとって大きな励ましとなっていたからです。ピリピに住むクリスチャンたちは非常に心が優しい人々であり、イエス様への献身の深さとパウロに対するサポートも広く知られていました。パウロは彼らに対する感謝の気持ちを伝えるために、愛と親愛の情を書きしるしたこの個人的な手紙を書きました。また、人生の真の喜びや意義、そして本当に満たされた心というのは、心を尽くしてイエス様に従っていき、他の人が救いの良き知らせを知る助けとなることから得られる、とも書きました。

また、幸せと喜びは必ずしも同一ではないということも特に指摘しました。パウロは何しろ、この喜びにあふれた手紙をローマの刑務所で書いたのですから、その違いは人一倍承知していたに違いありません。パウロは生涯を通して裕福も貧困も、快適さも痛みも、健康も病気も経験し、少数の人から賞賛を得て大勢の人から拒絶も体験しました。パウロはイエス・キリストを知り、そのことばに従うことに自身の注意と体力をすべて注力しつつ、どんな境遇にあっても常に満足する秘訣を身につけたのです。

何よりもイエス様を知りたいという自身の願望を表明し、ピリピの教会にもキリストに対する信仰に忠実であり続けるようにと伝えました。それから、人生における本当の喜びとは物質的なものや楽しく快適な状況から来るものではないと念を押しています。

喜びとは、自分が神様の愛をいだいている、そして神様が私たちの人生において確かに働いておられるという静かな確信のことを意味します。どんなことがあろうとも、神様はそばにいて私たちを助けてくださるのです!人生において状況はいろいろと変わっていきますが、これらの変化の波よりももっと深く強いこの喜びとは、あなたの人生におけるイエス・キリストの臨在がいかに絶え間なく安定してあり続けるかに左右されるものです。ピリピ人への手紙を書いたパウロと喜び、イエス様を通して喜びを見出そうと決意しましょう。

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