本書の目的 | キリストが帰って来られるタイミングに関する混乱を解決するため。 |
著者 | 使徒パウロ |
誰に向けて書かれたか | テサロニケに住むクリスチャンたち、あらゆるクリスチャン |
年代 | 西暦51年か52年ごろ。テサロニケ人への第一の手紙を書いた数ヵ月後に。コリントで |
背景 | テサロニケの教会にはキリストが帰って来られるタイミングがいつになるのかに関して混乱している人がたくさんいました。迫害が激しくなるにつれ、きっともうすぐ帰ってこられるに違いないと思っていたのです。そこで、パウロの最初の手紙の内容からしてきっとすぐにでも帰ってこられると解釈しました。キリストがもう帰って来られるのを待つだけだからという言い訳を使ってぶらぶらと日を過ごしたり、すっかり秩序が乱れた生活をずっと続けていました。 |
主要な聖句 | 「どうか、主の導きによって、神様の愛と、キリスト様の忍耐とを、あなたがたが、ますます深く理解しますように。」(第二テサロニケ3章5節) |
主要な登場人物 | パウロ、シルワノ、テモテ |
主要な地名 | テサロニケ |
本書の特徴 | パウロはこの手紙の中で、キリストが再び来られる前に起こらなければならない様々な出来事を指摘しています。 |
コミュニケーションを効果的に行うのはたやすいこととは限りません。伝えた言葉がきちんと相手の耳に伝わらないこともしばしあります。明確な発言や記述であっても、言葉というものは誤って解釈されたり、誤解されることもあるからです。
パウロもこの問題に悩まされました。テサロニケ人たちへの最初の手紙の中でクリスチャンの信仰において成長するのを助け、イエス様がいつか帰って来られると約束された事実を伝えることによって慰め、励ましました。ところが、たった数ヶ月後にはパウロのこの教えを誤解した人がいたことに気づきました。イエス様がいつにでも帰ってこられても不思議ではないと書いたがゆえに、ではもう働くのはやめてひたすら待とうと思った人が出てきたのです。敵に迫害されている中でキリストが早くもう一度来られるよう願うようになり、きっとその時は近づいているに違いないと思う人もたくさんいました。
パウロは直ちにこの第二の手紙をまだ信仰の幼い教会に書き送りました。この中でイエスの再来についてさらに教えました。テサロニケ人への第二の手紙は最悪の境遇にあっても勇気を持ち続け、敬虔にふるまわなければならないと教えています。
パウロはイエス様の再来のタイミングに関する誤解に直接答え、その時がもう来たと言ううわさに耳を貸さないようにと言いました。そして待っている間は信仰を守り、神に励ましと希望をいただき、力をいただけるよう祈り、すばらしい知らせ(福音)を広め続け、怠けている者たちに注意を呼びかけるようにと指示しました。
この手紙が書かれてからおよそ2000年経った今、イエス・キリストが帰って来られる時は当時よりかなり近づいたものの、現代の私たちもぶらぶらと待っていてもいいと勘違いすべきではありません。イエスが帰って来られる準備ができているというのはすばらしい知らせ(福音)を広め、助けを必要とする人を助け、教会を築くことを意味します。テサロニケ人への第二の手紙を読みながらイエス様が確かに将来帰って来られるという現実を知り、その日が来るまでイエス様のために生きる責任を実感してください。