あなたのみことばは、私の足のともしび、私の道の光です。 詩篇 119篇105節
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ロゴス(Logos)について

ロゴス (〈ギ〉logos)(新聖書辞典より)

ロゴスがイエス・キリストについて使用されるのは, #Joh 1:1, 14, Re 19:13|である.

それぞれ, 「ことば」「いのちのことば」「神のことば」と言われている.ロゴスが単独で用いられているのは, #Joh 1:1, 14|のほかに, #Mr 2:2, Lu 1:2, Ac 8:4, 14:25, Ga 6:6, Col 4:3, 2Ti 4:2|などがあるが, これは「キリストの福音」という意味である.

 #1Jo 1:1|の「いのちのことば」については, 「ことば」をキリストととるか, 福音のメッセージと解釈するかの2つが考えられる.#Joh 1:14, 1Jo 1:2|を比較すると, 前者は先在のキリストが「ことば」と呼ばれ, 後者は「いのち」と呼ばれているので, 1Jo 1:1|の「ことば」は, むしろ福音のメッセージという意味であろう.

 ヨハネは, 受肉以前のキリストをロゴスと呼んで福音書の序文を書き, 受肉後のキリストについては, ロゴス(ことば)とは呼んでいない.このロゴスということばは, ユダヤ人にとっても, ギリシヤ人にとっても, 長い思想史的背景を持った宗教的, 哲学的に重要なことばである.このことばが先在のキリストを指し示すために用いられたことは, 福音が広くギリシヤ・ローマ世界に宣べ伝えられるために重要なことであった.

ロゴスはユダヤ人にもギリシヤ人にも等しく, 宇宙の支配的な事実を表していた.ユダヤ人は, 「主のことばによって, 天は造られた」(#Ps 33:6|)ことを信じ, ギリシヤ人は, ロゴスが宇宙を支配する原理そのものであり, すべての自然法則はその特殊な表現であると考えた.したがって, 両者共, このロゴスが万物の出発点であるということにおいては一致していたのである.

ヨハネは, いろいろのニュアンスを含んだ意味を持っていながら, しかも当時の世界の至る所で共通に用いられていた用語を選択して, これをキリストを全世界に紹介するために使用したのである.ロゴスということばを用いて語れば, すべての人がその本質的な意味をとらえることができるであろうと期待できたからである.

ヨハネはこの用語にキリスト教的内容を取り入れた.彼にとってはロゴスは世界に内在する原理ではなく, 生きた存在であり, 生命の源泉である.ロゴスは, #Pr 8:22-31|などにあるように, 知恵が人格化されたものではなく, 神的人格であり, 神そのものなのである.パウロはヨハネと違う用語で同じことを表している(#Col 1:15|以下).

 

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