本書の目的 | 教会に出まわっていた誤った教えを正し、キリストの信者であれば必要なものはすべてキリストから与えられることを示すため。 |
著者 | 使徒パウロ |
誰に向けて書かれたか | 小アジアのある町、コロサイ(現在はトルコ)のすべてのクリスチャン、あらゆるクリスチャン |
年代 | 西暦60年ごろ、ローマで収監されている間に |
背景 | パウロは異教や非宗教的な哲学において正しくない教えがあることを指摘し、キリストだけで十分であることを再確認しました。 |
主要な聖句 | 「なぜなら、キリスト様のうちにこそ、神様の性質のすべてが、肉体をとって宿っているからです。ですから、キリスト様を自分のものとしているなら、すべてを手に入れたことになります。そして、キリスト様と結びつくことによって、神様に満たされているのです。キリスト様は、すべての力を従えた、権威ある、最高の支配者です。」(コロサイ2章9-10節) |
主要な登場人物 | パウロ、テモテ、テキコ、オネシモ、アリスタルコ、マルコ、エパフラス |
主要な地名 | コロサイ、ラオデキヤ(コロサイ4章15-16節) |
本書の特徴 | 本書はキリストは最高の支配者であり、キリストだけで完全に足りるという教えを提示しています。 |
コロサイの教会もキリスト教に相反する思想をキリスト教の本当の教えと混ぜて教えていた偽教師たちのせいで問題に悩まされていたクリスチャンの集まりでした。パウロはこの誤った教えを訂正するためにイエス様が神であること(神と同一である)と私たちの罪を肩代わりするために自分をかえりみずに十字架で命をささげられた事実を強調しました。
さらに、私たちはイエス様がくださる救いの贈り物を受け入れてのみ神様のお赦しと平安、そして永遠のいのちをいただける、とも書きました。
コロサイ人への手紙は和合と真実の書、つまり神とクリスチャン同士の和合、そして神のことばの真実に対して忠実になるということについての書です。
パウロはイエス・キリストというお方となされた働きを説明し、私たちが恐れることなく神の御前に立てる唯一の理由はイエスが代わりに死んでくださったからだと指摘します。この世の教えや思想は神の基準にはとうてい満たないということを説明し、神の道に沿って生きるようコロサイ人たちに呼びかけています。
また、神の子イエス・キリストの死と復活の真の意味が何であるかも説明しています。私たちは永遠に生きるという保証があるのですから、常に天国について考えるべきです。真実や愛、平安が私たちの人生に反映されているべきです。祈りを通して毎日神様と語り合い、救いの良き知らせをまわりの人に伝えるべきです。
コロサイ人の手紙はまだ未熟で苦悩が多い教会に宛てた手紙でもありますが、時をこえて今も真実であり続けることばとして受けとめてください。神様のすべてが宿っておられるお方、クリスチャンとしての人生を送るため必要なものすべてをくださる唯一のお方、イエス・キリストの存在をあらためて感謝しましょう。