本書の目的 | パウロが使徒であることを明確にし、使徒としての権限を主張し、コリントにいた偽教師たちの間違った教えに反論するため。 |
著者 | 使徒パウロ |
誰に向けて書かれたか | コリントに住むクリスチャンたち、あらゆるクリスチャン |
年代 | 西暦55-57年ごろ、マケドニヤ(マケドニア)で |
背景 | パウロはこの時点ですでにコリント人に3通の手紙を書いていましたが(そのうちの2通は残っていません)、コリントの教会の会員のほとんどはパウロの厳格な言葉に正しい心を持って反応したものの、中にはパウロの権限を否定し、その動機に疑問を唱える人もいました。 |
主要な聖句 | 「私たちはキリスト様の大使です。神様が、私たちの口から語りかけるのです。あたかも、キリスト様がここで懇願しておられるかのように、お願いします。どうか、せっかく差し出された愛を拒まず、神様と和解してください。」(第二コリント5章20節) |
主要な登場人物 | パウロ、テモテ、テトス、偽教師たち |
主要な地名 | コリント、エルサレム |
私たちが住むこの世界は神への道を教えると主張する宗教や思想だらけです。これらの偽の宗教や思想は神様のシンプルな救いのメッセージとは異なることを提唱しています。このような宗教や思想の支配者たちの中にはキリスト教やクリスチャンについて事実とかけ離れた理由をあげて責める人もいるので、だまされてしまう人もいます。パウロはイエスに対する信仰を弁護し、キリストの真理を改ざんして教えていた人たちに反論するためにこのコリント人への第二の手紙を書きました。
パウロは神を信じる人たちを欺いて誤った方向へ導こうとする人たちに手を焼いていました。このような偽教師にとってクリスチャンになったばかりの人たちは特に欺きやすい対象でした。このような偽教師たちは現代のキリスト教の健全さを脅かす存在であり続けています。
コリント人への第一の手紙にも書いてあるように、コリントの教会は弱体化していました。信仰者たちは異教や多神教を信じる人や不道徳に常に囲まれ、クリスチャンとしての信仰とライフスタイルを維持するのに苦労していました。パウロは自らコリントを訪問したり、手紙を書いたりしてこれらのクリスチャンに指示を与え、彼らの紛争や問題を解決しようとしました。しかし、コリントにはパウロの偽りのない言葉に反論し、パウロを中傷した偽教師たちがいました。
パウロはさらに指示をあるべきであることに気づき、偽教師について注意を促す手紙を書き、その中でイエスの救いのメッセージの真理を信じ続けるようにとクリスチャンたちに熱心に勧めました。
これらのクリスチャンたちに、エルサレムの貧しいクリスチャンたちのために献金を集めると約束した事実を思い起こさせ、その約束を守るのかどうかと尋ねます。他の地域のクリスチャンたちがいかに他人を助けるために自分のものを与えてきたかについて説明した上でコリントのクリスチャンたちにも愛を実際に役立つ方法で示すようにと伝えます。続いてパウロは自分が正真正銘の使徒であり、イエスに忠実に従う者であると説得力ある論拠を提示します。なぜそうしたかというと偽教師たちの自分に対する非難が間違っていること、そしてこれらの偽教師たちがクリスチャンたちに霊的な害を及ぼしていることを示すためです。
この実に個人的な手紙を読みながらパウロの愛と励ましに満ちた言葉に耳に傾け、神様のおことばの真実を再度信じようと決心しましょう。偽の教えの見分けがつくように知恵をくださるように祈り、イエス様が教えた真理にそっていない教えは受け入れないようにしようと決意しましょう。