あなたのみことばは、私の足のともしび、私の道の光です。 詩篇 119篇105節
聖書概要

ルカの福音書の概要

本書の目的 キリストが完璧な人間、そして救い主であることを示すため。
著者 ルカ

医者(コロサイ4章14節)であり、ユダヤ教徒ではなく、ギリシャ人としてキリスト教に改宗しました。聖パウロの親しい友人でもありました。

誰に向けて書かれたか テオピロ(「神を愛する人」という意味)、世界中の人々
年代 西暦60年ごろ
背景 ルカはローマからカイザリヤで本書を書きました。
主要な聖句 「イエスは言われました。『中略メシヤ(救い主)のわたしは、実にこの人のような者を捜し出して救うために来たのです。』」(ルカ19章9-10節)
主要な登場人物 イエス、エリサベツ、ザカリヤ、バプテスマ(洗礼者)のヨハネ、マリヤ、弟子たち、ヘロデ大王、ローマ総督ピラト、マグダラのマリヤ
主要な地名 ベツレヘム、ガリラヤ、ユダヤ、エルサレム
本書の特徴 「ルカの福音書」は四つの福音書の中で最も包括的な書です。ルカはイエスの人付き合いを強調し、登場する女性は重要な役を持っています。

約二千年前のことです。父が神様であり、母のマリヤはごく普通の女性という、奇跡的に受胎された赤ん坊のイエスがお生まれになりました。

ルカはこの驚くべき出来事を本福音書の中に書き記しました。ルカは医者でしたから有職者であり、イエスの生誕について細かい話が本書に含まれています。学識があり、医者という職業柄からしてルカはきっと事実に基づいた証拠と正確性を求めたに違いありません。神様は様々な人が持っている特有のスキルやこれまでの訓練や鍛錬で身につけた技能、それぞれの才能や性格をもちいてご自身のみこころを達成されるのです。神様は、ルカが学識のある人らしくこの書をまとめるであろうとご存じの上で、聖霊を通してルカにこの話を書くように導かれました。

ルカの著述が入念であるのと、イエスの弟子たちとの直接交流をもっていたということから、ルカはイエスが完全に神であり同時に完全に人間でもあるという主張の信頼性を高めました。また、ルカはイエスの弟子を何人か知っていただけでなく、その他の歴史的な記録も読むことができました。キリスト教の初期の頃や成長の過程を自ら見ることができたのです。

ルカの福音書は、イエスとそのいとこであるバプテスマ(洗礼者)のヨハネがお生まれになると天使が予告するところから始まります。ヨハネの役目とメシヤ(救い主)がいらっしゃるということを人々に伝えることでした。

医者ルカは、イエスが一般人を教えたり、いやしたりし始める前にも聖霊がイエスを準備された様子を書き記すことによって、本福音書の信頼性をさらに高めます。ルカはイエスの系図を最初の人間で会ったアダムまでさかのぼって提示し、人類のすべての罪を扱う者として何百年も前に旧約聖書の中で約束されていたのは確かにイエスであることを示します。

イエスは民衆に福音を伝え、教えを説き、病人を癒されました。この間に十二弟子を集めてご自分は実は神の子であるということを伝えられました。そして、イエスの弟子になるということはどういうことであるかを説明し、地上における使命はご自分が私たちの人間の肩代わりをして罪のために死ぬことによって人類のすべての罪の代価を支払うことであるとも教えられました。イエスはこの使命によりエルサレムへ行き、そこで十字架にかけられました。

ところがルカの福音書の結末は悲しいものではありません。最後にイエスが死から復活されたスリリングな話や、その後も弟子たちに何度も姿を現されたこと、そしてイエスを救い主として信頼するすべての人を守り、慰め、導いてくださる聖霊様を遣わされるという約束をもって締めくくられます。

人の子であり、同時に神の御子でもあるイエスの生涯を美しく正確に書き記したルカの福音書をお読みください。そして死からよみがえり、死を克服された救い主であり、主であるイエスを全人類のために遣わされた神様をたたえましょう。

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